恋の寿命

恋の寿命

日記

09.29

前書き。

約1年前、PRODUCE 101 JAPANにハマり、それをきっかけに初めて自分からkpopを聴くようになった。プデュ繋がりでまずIZ*ONEにめろめろになり、それ以降は色々なグループをつまみ食いしてゆるっと楽しんでいる。(ちなみに日プの推しはデビューできなかった)

今年の2、3月頃、いつものようにVエプを見ていたら、とあるアイドルから「梨泰院クラスがおもしろい」という話を聞いた。どうやら韓国で流行っているドラマらしいと知り、へえーと聞き流していたら、後日、別のアイドルからもそのワードが出てきて、おっ?!と思った。そうしてアイドルたちの話を聞いているうちにドラマに興味が湧いてきたわたしは、最終回の放送が終わった頃、ネトフリに加入して睡眠時間を削りながら一気見することとなった。

結果的に、梨泰院クラスはあまり好みではなかった(でも、イソとスアがめちゃくちゃかわいいので最終話まで完走した)のだけど、せっかくネトフリに加入したし…と他のものにも手を出してみたら、韓国ドラマというジャンルにまんまとハマってしまった。

たぶん8割くらいはイジョンソクさんのせいだと思う。たまたま見たイジョンソクさんの主演ドラマ「ロマンスは別冊付録」(何だ、このダサいタイトル)が、癒しとキュンと共感のバランスがちょうどよい素敵な恋愛お仕事ドラマだったため、イジョンソクさん繋がりで彼の出演作を片っ端から見ていくうちに、韓国ドラマを漁る手が止まらなくなってしまったのです。

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ちなみに、イジョンソクさんは絶賛兵役中なので、待てど暮らせど新作ドラマはしばらく出ない。悲しい…。

そういった流れで韓国のアイドルやドラマをたくさん見ているうちに、韓国の文化やエンタメそのものに興味を持つようになった。今ココ。

 

で、いよいよ本題に入る。

kpopアイドルや韓国エンタメを見るようになって、ハイハイや彼らが所属するジャニーズ事務所のアイドル運営についてももっと色々なことを考えるようになった。

 

ジャニーズとkpopの比較については、掛け持ちしている人も多いため、繰り返し話されているテーマだと思う。たとえば、kpopはステージパフォーマンスの技術が重視されるのに対してジャニーズはショーに近い演出が魅力とか、そんな話は耳にタコができるほど聞いた。

でも、わたし(Kぽニワカです)が思う一番の違いは、アイドルとの距離感のように感じる。

 

kpopアイドルは日本人のわたしにとっては、海の向こうの人たちなので簡単に会えるわけじゃないし、動画を見るにしても言語の壁があるので、遠いことには遠い。

でもV LIVEを開けば、彼らが好きなタイミング(テレビ局から宿舎に戻る車内とか、ツアー中のホテルの部屋とか)で世界中のファンに向けて、好きな話を自由にするのが聴けるし、YouTubeではMV撮影や音楽番組出演の裏側をたくさん見られる。どこまでガチなのか分からないけれど、リアリティ番組の時には彼らの宿舎内にカメラがセットされ、メンバーでわいわいしている様子が映る。マスターと呼ばれるオタクがいて、何か仕事があれば出勤写真や空港写真が出回る。

アイドルのオンオフの境界線は限りなく薄く、しかしそのおかげで(と言うことに対する罪悪感は大いに感じながら)アイドルの存在を心の支えにできるほど近くに感じられる。

※参考にこの記事も貼っておきます。‘Emotional support K-pop boys’ help fans with their mental health

手の届く存在というわけではなくて、“遠いんだけど近い”という感覚。

 

人間性を知ることができるという意味で、「こんな話まで聞けるのか!」とわたしが衝撃を受けたのが、Stray Kidsのこの企画。

One Kid's Room(원키즈룸) - YouTube

メンバー8人を、Ep.毎に1人ずつフィーチャーし、そのメンバーについて、本人と別の部屋にいる本人以外の7人がそれぞれ話すというもの。

こういう、自己分析と他己分析を同時に見られるような動画に触れると、彼らがどんな性格をしていて、人との接し方や距離感がどんな感じで、どんなことを頑張りたくて、何を大事にしているのか、みたいな人柄や内面を知ったような気分になる。すごく遠くにいる人たちなのに、遠くに感じない、心の距離が近づいた。

動画の最後で、その回の主人公が「〇〇(自分)は××だ」と一言作るのだけど、末っ子のイエニの「イエニはこれからも幸せになってほしい」も、メンバーからガラスのハートと言われるヒョンジンの「ヒョンジンは強くなるはずだ」も、みんなのリーダー、チャニの「バンチャンはみんなが幸せになってほしい。そうなってこそ、チャニも幸せになれる」も、心にぐっときた。

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彼らが作る音楽や舞台に対する思い、そして彼ら自身の生き方に対する考えを聞いた時、ずっと深く彼らを知れたような気がして、それに共感したり尊敬したりし、もっと大事な存在になるのだと思う。

(ちなみに最近始まった「♡ Kids Room」という企画もすごい)

 

そういった世界に触れながらジャニーズを見ると、わたしは本当にHiHi Jetsという“偶像”が好きなのだな…と感じてしまった。人々の憧れや崇拝によって形成された、人の形をしたもの。だってわたしが彼らに見るものは想像妄想ばっかりで、一人ひとりがどういう考え方をする人なのかということを何も知らない。

全てを知ることができないのはkpopもそうだし、何ならアイドルではなく、目を見て会話をする近い相手であっても不可能なことだから、何もかもを知りたいというんじゃない。ただ普段どんなことを考えながら生活しているのかとか、心の話を聞く機会ってほとんどないよなあ…と。

もちろん、そういう機会があったとして、話すかどうかはその人次第なので、話したくなければ話す必要なんてないのだけれど、そもそもそういう話をする場がない。というか、話すことを許されていないようにさえ感じる。

この前のJr.祭のスノスト騒動の際に、ラウールのブログを批判していた人が「ブログにしろ、アイランドTVの動画にしろ、一度大人のチェックを通すのだから、そこで止めるべき」みたいなことを言っているのを目にし、なんだか象徴的だなあと思った。

だけど、この閉鎖的なやり方は、アイドルが守られているということでもあるのかもしれない。kpopアイドルはアイドル自身にかかる負荷が大きすぎるとも思うので…。

 

韓国エンタメに興味が向いていたわたしは、数日前、この記事(“隠れて聴く名曲”、“儒教ガール”… ウェブバラエティ「文明特急」はどのようにしてミレニアルの流行になったのか【日本語訳】 - muna’s diary)を読んだ。「文明特急」という韓国の人気バラエティ番組を作るPDお2人のインタビューだ。

当たり前だった(そういうもんだと教えられてきた)慣習や価値観をどんどん壊していき、なんだか嫌だなあ…と感じていたことを変えていこうとする彼女たちの姿勢はとてもかっこよく、それがエンタメとして形になっているのもすごく良いなあと思った。

けれど同時に、このPDさんのアイドルに関する話を聞いて、わたしはわたし自身のアイドルの推し方がよくわからなくなってしまい、混乱もした。

(アイドルの方は)会った時に過剰に挨拶をしたり、過剰に明るい方が多かったです。最初は性格が良い方が多いと思いました。しかし、芸能界で働く人に多く会って、彼らがどんな環境で働いているのかを直接目にしたら、見方が180度変わりました。ああ、これは問題なんだ。

あまりにも幼い年で、無条件に明るくなければならないし、過剰に挨拶しなければならない。こんな事が職業意識で呼ばれるとなるとちょっとおかしいじゃないですか。アイドルだからといって、撮影現場で笑い続けることはできません。

ハッとした。アイドルのファンをする限りは、アイドルの感情労働について考えることをやめてはいけないし、わたしはわたしがアイドルを消費していることにもっと自覚的でなくてはならない。

 

自分の言葉を発信する場が与えられているkpopアイドルを見ていくうちに「わたしって、思っていたよりハイハイのことも作間くんのことも何も知らないんじゃない…?!」と改めて考え直すようになっていた。そんなタイミングで、アイドルの感情労働についての文章を読み、わたしはアイドルの何をどのように消費しているのだろうと考え込んでしまった。

わたしは、今わたしがハイハイの何を見ているのかも分からなければ、それをどう消費すべきなのかも分からなくなっていて、頭が混乱し、答えが出ぬまま、ぐるぐる考えている。

 

自分の中でもはっきりとした答えが出る前に書き始めてしまったので、立場も考えも曖昧な、モヤモヤが残る文章になってしまったけれど…。とにかくこれが最近のわたしが考えていることです。おわり。