恋の寿命

恋の寿命

日記

2/23

バーチャルアイドルを「キャラクターを通して推しを再構築して見る体験」とし、それは「役者のオタクって公演ごとにやってる」と指摘しているツイートを見かけた。私は初回しかちゃんと配信を見ていないのであまり掴めていないかもしれないけれど、もしこの通りなのだとしたら私はバーチャルアイドルを応援することを躊躇してしまうだろうなぁと思って、初めてHiHiには無関係でいてほしいと思った。

中の人を知っていて尚且つとても好きな状態でキャラクターそのものをキャラクターとして愛することが自分にはできないとよく分かっているから。役者のオタクをしてきて無理だなと感じている。私は役者に関係なく、ドラマや映画のキャラクターを本当に大好きになることがよくあるし、それを役者が作った虚構の人格だなんて思っていない。たぶんアニメや漫画のキャラを好きになるのと同じ感覚だと思う。そのキャラクターの背景や過去を想像したり、発言の真意を汲み取ろうとしたり、キャラクター同士の関係性にグッときたりする。だけどこれまで、推しが演じてきた役に対してはそんな風に思えたことがなかったから。どうしても中の人を見てしまう。ここのお芝居すごいな、まるで別の人だな、ってそう考えている時点でもう違う。例えば、推しが出演するからという理由で見始めた『直虎』は高橋一生さん演じる「政次」が大好きだったけれど、それは政次を演じ切った高橋一生さんが好きなのではなく「政次」という人物が好きなのだ。中の人の情報なんていらない、だってそこに生きているのは政次だから。けど、そういう楽しみ方を、大好きな人に対してはできない。

そのうえ、バーチャルアイドルはキャラクターと中の人の境界線が曖昧だ。お芝居の世界では、どんなに演技が上手くても頭ではそれは演じている役だと当然認識していて、それを楽しんでいる。そこまではできる。でも、どこまでが作られたキャラクターで、どこが中の人の要素なのかが分からないのはしんどい。一番苦手なところ。私が推しのラジオを聞けないのもそれ。

はじめバーチャルアイドルが発表された時、多くの人が拒否反応を示していたけれど、私はシンプルに、仕事がもらえていいなあと思った。見てもらっているということだし、期待されている証拠だし。でもそういうことなら、できれば私の好きな人たちは無関係でいてほしい。新規ファン獲得より、自分の好きなように、自分の見たいところだけを見せてほしいと思ってしまう。なんて勝手なんだろうね。…難しいな。